ネコの腎臓病:糸球体腎炎
ネコの糸球体腎炎とは?
ネコの腎臓にある血液をろ過する働きの糸球体に炎症が起きている状態で、ウイルスや細菌によって引き起こされるネコの腎臓病の種類のひとつです。急性の炎症が発症した時には急性糸球体腎炎、1年以上長引いた状態を慢性糸球体腎炎といいます。
*糸球体は腎臓の機能単位のネフロン内部の毛細血管が糸状に丸まっている塊です。糸球体の底辺膜に炎症が起こるとろ過機能が悪化するので、老廃物が血液中に残ったままになってしまいます。
ネコの糸球体腎炎の症状
ネコの糸球体腎炎は初期の段階では症状がほとんどがこれといった症状がなく、分からりずらいです。
たまたま尿検査で尿に含まれるタンパク質が増えているという程度で初期段階での糸球体腎炎はとても分かりずらい病気です。
病気がだんだんと進行していくと元気がなくなってきて疲れやすくなります。毛並みの悪くなってツヤがなくなり、よく水を飲むようになってきます。他にもむくみや腹水や脱水がみられ、食欲も落ちて体重も減ってきます。軽度の貧血や何かを吐いたり、下痢をするなどの消化器症状も見られてくるようになります。
もっと病気が進行すると、痰飲多尿、吐く、食欲がなくなり食べなくなるなど慢性腎不全のような症状も見られてきます。
ネコの糸球体腎炎の症状をまとめると
- タンパク尿(尿の中にタンパク質が多くなる)
- おしっこの量が増える
- 下痢
- おう吐
- 元気がなくなる
- 手づやが悪くなる
- 水をたくさん飲む
- 貧血を起こす(ふらつくようになる)
- 体にむくみが出る
- 腹水
- 脱水 など
ネコの糸球体腎炎になる原因は?
ネコが糸球体腎炎になる原因は実はまだよく分かっていなこともあります。
しかし、発症するパターンとして分かっているのは2つあります。
1つは基底膜についた異物として誤認して取り除くために免疫細胞が攻撃をしかけて、糸球体腎炎を引き起こしてしまう
2つめは細菌やウイルスがネコの体内に侵入して引き起こしてしまうことで糸球体腎炎を起こすなどです。
ウイルスや細菌がネコの体内に侵入すると、免疫系が病原菌を排除しようとして抗体を作り出します。
その抗体と病原菌(ウイルスや細菌)が合体した免疫複合体が血流にのり腎臓に流れて糸球体のろ過する膜に付着するとそこで炎症が起きてしまい、糸球体腎炎を引き起こすそうです。
糸球体腎炎を引き起こすきっかけになる病気は
すぐに命の危険がある病気ではありませんが、注意が必要な病気です。
4歳ぐらいの若いオス猫に発症することが多く、この病気になった猫の75%は若いオス猫とされています。