ネコの腎臓の構造と働き(機能)
ネコの腎臓の働き(機能)はなに?
ネコにとって腎臓関係の病気は宿命とも言われるほど
腎臓病になるネコは多くいます。
また、老猫の多くは腎臓の機能が低下してしまいます。
今腎臓に異常が見られない場合でも、
毎日ネコの様子をチェックしたり、年に1回健康診断にいってネコの健康状態や腎臓の機能について知ることは大切なことです。
また、ネコの腎臓がどんな働きをしていて、機能低下するとどうなるかを知っておくことも大切なことです。
腎臓の構造の簡単な説明
ネコの腎臓も人間と同じでソラマメのような形の臓器です。
この腎臓、実は色んな器官が組み合わさって作られている複雑な臓器です。
腎臓の構造は以下のものでなりたっています。
・血管
・糸球体(腎臓の毛細血管)
・尿細管(体液の内容の調整をする)
・間質(血管・糸球体+ボウマン嚢・尿細管など構造の間でこれらを支える組織)
ネコの腎臓病について検索をすると「ネフロン」という言葉を何度も見かけると思います。
このネフロンがいくつも組み合わさって腎臓が作られています。
ネフロンとは、腎小体(糸球体+ボーマン嚢)1個と尿細管1本がセットになったものです。
ネコの腎臓はこのネフロンが20万個ぐらい集まって1つの腎臓が作られています。
人間の腎臓は100万個、犬の腎臓は40万個のネフロンで作られています。
ネコは他の動物と比べると、ネフロンが少ないのが特徴です。
このネフロンは一度壊れると再生しません。
でも、腎臓を作ってるネフロンが一度に全部働いているわけではなく、
全体の3分の1程度のネフロンが働いて、1つのネフロンが壊れると別の健康なネフロンが代わりに働くといった仕組みになっています。
ネコが腎臓病など腎臓に不調が出るのは、
健康なネフロンの残り数が少なくなってきた時に腎臓病などのトラブルが起きます。
腎臓の働き
腎臓の働きを簡単に言うと、血液をろ過して、老廃物などの毒素を血液から取り除く働きをします。
ネコの腎臓のろ過の働きを説明すると、
血液が運ばれる時には腎動脈から最初は糸球体へ流れてきます。
糸球体になる毛細血管を流れながら一部ろ過され糸球体濾液となって血管の外へ流れボウマン嚢から尿細管へと流れます。
尿細管ではネコの体に必要な栄養分を吸収し、約99%は血管へ戻ります。
尿細管で吸収された残りは老廃物・毒素や薬などの余分なものなので、尿として排出されます。と、いう感じです。
単純に腎臓は不要なものや有害なものを取り除くという訳ではなく、
体に必要な栄養分(ブドウ糖・アミノ酸)と老廃物により分けて、
血液内のミネラルバラスを整える働きもします。足りないナトリウムやカリウム、カルシウムを吸収したり、排泄したりしてくれます。
また、ネコの体の水分の調整も行ってくれ、水分が多い場合には、尿を多く排出しますが、
脱水など水分が足りない場合には、腎臓で水分を再吸収します。この再吸収はネコの腎臓特有な働きで、ネコの祖先が砂漠で暮らしていたことから進化した機能だと言われています。
ネコの腎臓の構造と働きについて紹介しました。
ネコが腎臓病になったら、健康な腎臓をできるだけ長く使っていけるようにすることが治療のポイントになります。
食事や水分摂取や治療でできるだけネコの腎臓の負担を減らして大切にしたいですね。