ネコの多発性嚢胞腎(PKD)とは?
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん・PKD)は人間にも見られる病気のひとつで、難病指定されている腎臓の病気です。
ネコの多発性のう胞腎(PKD)は先天性の腎臓病で、1000匹に1匹の割合で発症すると言われています。
ネコの多発性のう胞腎(PKD)とは?
多発性のう胞腎(PKD)は先天性な腎臓病で、ペルシャネコ。ペルシャネコと交雑のある長毛種のネコなどに多く発症がみられている遺伝性の腎臓病です。
ペルシャネコやペルシャネコと交雑のある長毛種のネコにだけ発症するのではなく、
最近の調べでは他の長毛種のネコや長毛種でなくてもアメリカンショートヘアやスコティッシュフォールドや雑種のネコにも発症することが分かってきています。
実は日本ではまだ多発性のう胞腎(PKD)にかかっているネコについての調査が始まったばかりです。
嚢胞が形成されるメカニズムなどまだ分かっていないこともありますが、
現在では1000匹に1匹の割合で多発性のう胞腎(PKD)にかかっているネコがいると推測されています。
また、遺伝病で両親のどちらかに腎臓を作るたんぱく質に遺伝の異常がある場合に子供に遺伝することがあります。
この病気は、腎臓にある腎胞液が入っている腎胞がたくさんできる病気です。
ゆっくりと進行していき、腎胞が増えながら大きくなっていき
腎臓がとても大きくなってしまいます。
進行がとてもゆっくりなので気が付かないうちに腎臓の機能も低下してしまいます。
多くの場合には3歳前後には多発性のう胞腎(PKD)による腎機能の低下がわかり、
7~10歳頃には腎不全の引き起こしてしまいます。
腎不全と同じように完治はしません。
なかには多発性のう胞腎(PKD)の進行がゆっくりなため、
腎機能が低下することに対してネコの体が順応して腎不全の症状が出ないネコもいます。
多発性のう胞腎(PKD)の症状は?
- 疲れやすい
- 運動をしたがらない
- 食欲不振
- 多飲多尿
- 体重が落ちてくる(痩せてくる)
- おう吐
など慢性腎不全と同じような症状があります。
初期など嚢胞が小さく少ない時には症状が出ないことが多くみられています。
ゆっくりと進行する遺伝性の腎臓病のため
飼い主が気づかないこともあるので、
ネコの様子を見て多飲多尿の症状などが見られる場合には
多発性のう胞腎(PKD)でなくても腎臓に関係する病気の可能性があるので早いうちに病院で診察を受けることがおすすめです。
また、検査などで見つかる場合もあるので、
定期的に人間ドックのようネコも猫ドッグ(定期検査)を受けると安心ですし、
もし多発性のう胞腎(PKD)の場合でも早期発見ができると腎臓にかかる負担を減らすことができます。