ネコの腎臓病の症状と治療法と食事、自宅できる簡単な予防法

ネコの腎臓不全・猫下部尿路疾患など腎臓病の種類と初期症状や末期症状、治療法やかかる費用と食事はどんなものを食べさせたらいいのか、食べない時にはどうしたらいいのか?腎臓病用の手作り御飯のレシピや注意点についてなどの腎臓病と上手に付き合っていく方法を紹介します。他にも自宅でできる腎臓病を予防する方法についても紹介します

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ネコの腎臓病の治療 静脈点滴と皮下輸液ってなに?

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輸液と点滴の違いは?

輸液は「液体を身体の中に注入する治療法」と広い範囲を指したり、輸液剤のことを輸液という事もあります。


点滴は静脈など血管に投与する治療のことを指します。
ですから、厳密にいうと「皮下輸液」ですが、
違いを知っているだけで良いと思います。

 

輸液(点滴)をする目的は?

ネコの腎不全の治療では脱水の症状を改善するために行われることが多いですが、
単純に水分の補給というだけではなく、

おしっこの促進で体内に溜まっている毒素を排出(デトックス)する
脱水によって足りなく電解質(ミネラル)の補正・維持のため
ビタミンや薬を混ぜて栄養状態を改善するため

上記の3つのような目的もあります。


一般的には「皮下輸液」「静脈点滴」が行われます。
他にも「腹膜透析」「血液透析」がありますが、こちらの治療法は状況をみてになります。

輸液の方法は病気の状態、緊急性、ネコの性格などを考え判断されます。
輸液剤もネコの身体(脱水)の状態によって使われる輸液剤の種類が変わってきます。

 

皮下輸液と静脈点滴の違いとは?

皮下輸液、静脈点滴の両方ともネコが腎臓病になり、必要と判断された場合にされることが多く見られますが、
皮下輸液と静脈点滴の違いは何でしょうか?

皮下輸液

ネコの肩甲骨の少し下から翼状針という針を使って皮下(皮膚と筋肉の間)に投与します。


ネコは人間と違って皮膚の下はだぶついていて、ある程度のゆとりがあります。
投与時間は静脈点滴と比べると早くすみます。


しかし、毛細血管から輸液を吸収する速度はゆっくりなので効果があらわれるまで時間がかかったり、
輸液の量が多すぎると吸収されず残り、毛細血管に負担がかかることがあります。

 

飼い主が自宅で処置することも可能な治療法ですが、病院によっては許可が下りるかどうか違ってきます。
また、自宅で行う場合にはネコが暴れたり、逃げたりと難しいこともあります。

その場合には保護服のような物を使うこともありますが、基本的には無理に押さえつけたりせずにできるだけ穏やかな状態で行うことがベストになります。
現実には、悪戦苦闘をしていることも少なくありません。

 

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静脈点滴

静脈(血管)から静脈留置針という樹脂製のハリを使って直接ゆっくりと輸液を投与します。


効果は血管に直接投与するので即効性があります。また、静脈からでないと投与できない薬を使う時などにも使われる方法です。

 


しかし、静脈点滴を行う時には専用の機器を使うこともあり全日入院もしくは半日入院が必要なことが多く費用・時間がかかってしまいます。
静脈に刺す静脈留置針は毎回外す必要はありません。数日は設置したままにしておくことが一般的です。

 

この静脈点滴を行う場合は血液検査での数値が非常に高く緊急処置が必要なことが多いので、3~5日間の入院が必要になる場合がほとんどです。
退院した後も数値が下がりきらない場合には、通院で半日入院、もしくは皮下輸液を継続して行う必要があります。