皮下輸液だけで栄養がとれるのか?
皮下輸液だけで栄養がとれるのか?
ネコが腎不全になった時、皮下輸液をするようになったり、
食欲不振からフードを食べなくなったりします。
ネコがフードを食べなくなっても、皮下輸液をしていれば大丈夫なのでしょうか?
生きていく栄養素やカロリーは皮下輸液に含まれているのでしょうか?
輸液剤の種類
皮下輸液に使われて輸液剤には種類があり、基本的には腎不全のネコには複合電解質輸液というものが使われてます。
複合電解質輸液は更に等張性電解質輸液剤・低張性電解質輸液剤に分かれ、
多くの腎不全のネコには等張性電解質輸液剤が使われています。
等張性電解質輸液剤とは…
電解質濃度がネコの体液の濃度とほぼ同じ輸液で
・生理食塩水
・リンゲル液
・乳酸リンゲル液 (ソリタ、ラクテック、ソルラクトなど)
・酢酸リンゲル液 (ヴィーンF、ソルアセトF)
・重炭酸リンゲル液 (ビカーボン)
などの種類があります。
上記にブドウ糖がプラスされたものもあります。
どれを使うかは、含まれる成分・代謝する臓器が違うので検査結果や状態をみて獣医さんが判断します。
低張性電解質輸液剤とは…
電解質濃度が体液よりも低い輸液剤です。ネコの腎不全ではあまり使われることがありませんが、
なかには1号ソルデムを使う場合もあります。
3号ソルデムなどの輸液剤は高カリウム血症の危険があるため使われることはありません。
腎不全のネコが輸液をする理由
腎不全のネコが輸液をする理由は、
腎不全で弱っているネコの身体に必要な水分を補給して、
身体の中に溜まっている毒素を出すための水分や代謝に必要なビタミン・電解質などを補うということが
皮下輸液をする理由です。
そうです、腎不全のネコの皮下輸液は水分補給のために行われています。
皮下輸液をすることで腎不全が治るという訳ではありませんが
脱水症状を改善したり、
溜まっていた毒素を排出することで
脱水症状での辛さや尿毒症からくる吐き気や体調の悪さなどが改善されるので、ネコ自身は身体が楽になるようです。
皮下輸液は食事の代わりにはならない!
病院や自宅で皮下輸液をすると安心になりますよね。
でも、腎不全のネコに使われる皮下輸液にはカロリーはありません。
ブドウ糖が入っている輸液剤もありますが、非常にわずかな量なのでほとんどカロリーはありません。
腎不全のネコに使われる輸液剤には腎不全のネコの生命維持や代謝に必要な水分・ビタミン・電解質を補給するためのもので、
食事の代わりに栄養やカロリーを補えるものではありません。
もし、皮下輸液をしていてご飯を食べない場合には、
食べてくれるフードや好きなものを食べさせたり、場合によっては強制給餌が必要になってきます。
おう吐が激しい場合にはかかりつけの獣医さんに相談して吐き気を緩和するお薬を出してもらうこともできるので相談してみてください。
腎不全で食べなくなってしまったネコでも、できるだけ食べてもらうようにしたいですね!